なんとなく視線に気付いて、あたしは上を見上げた。
すると高い貯水タンクに、胡座をかいて座ってる男の子。
太陽でよく顔は見えない………。
眩しくてつい目を細める。
「睨んでんの?良い度胸だな、お前」
「はっ…!ち、違います!ごめんなさい!すいません!」
「慌て過ぎだろ。つーか、眠たいから出てけや」
ちょうど、太陽が雲に隠れた。
あたしは息を飲んだ。
ミルクティー色の金髪に近い前髪長めの遊ばせてる髪。
左耳にキラッと光るシルバーのピアス。
そして極め付けは、これでもかってほど整い過ぎた顔。
見に纏う人を寄せ付けない雰囲気。
あのイケメンな慧が霞んで見える……。
「惚れた?俺の顔」
「自覚済みですか……」
「当たり前だろ」
「すごい自信…」
性格悪そうな人……。
絶対に危険な不良だ。
あたしが立ち入っちゃイケナイ区域。

