寝た気のしない体を引きずって、静かな家を出たのは早朝5時。
学校の鍵すら開いてねぇ時間。
いいや、翼早の家に行こう。
5分ぐらいで着くし。
電話をしつこくかけて、翼早を無理矢理起こしてアイツんちに行った。
「おい、駆琉。お前の脳みそには遠慮とか常識って言葉ねぇだろ」
「あるから牛乳買って来てやった」
「マジで幼なじみ厄介……」
「ふふっ…いつまでも仲良しって良いことよ?」
「麻歌(アサカ)もそうゆうことだし」
「変わらないよねっ。翼早も駆琉も」
麻歌は俺らの幼なじみの一人。
で、翼早と付き合って2年経つ。
どんなにクールに見せ掛けてる翼早でも麻歌にはデレデレ。
「あのな、俺ら泊まりしてたの。お前が夏紀さんとこにいれば……」
「切れって言ったの翼早だろ。しょーがない」
「駆琉が幼なじみじゃなかったら、今頃殴り倒してた」
真顔で物騒なこと言いながら、麻歌の頭を撫でてくっつき始める。
うざいー………。
「行くとこねぇの?」
「だから翼早頼ったんだろ」
行くとこあったら、彼女との泊まり妨害したりしねぇよ。

