俺だって翼早の言ってることが正解なことぐらい分かる。
だから………
たまには言うこと聞いてみようと思う。
学校帰りに夏紀の家に行った。
まぁ、俺は最近ここに入り浸ってたんだけど。
合鍵を使って部屋に入ると、すぐに夏紀が抱きついてきた。
キツイ香水の匂いが鼻に残る。
「おかえり〜駆琉。今日も学校でケンカしたのー?」
「してねぇ。お前に話あって来た」
「なぁに?」
ベッドに座った夏紀。
俺は床に座って、どう別れ話を切り出そうか頭を悩ませる。
……ここは自由奔放に生きて来た俺だ。
そのまま伝えりゃいい。
「夏紀」
「んー?」
「…別れたい。俺、お前と別れたい」
「はぁ!?嘘でしょ!タダでこの家に居候させてやったのに!?」
「その分、俺お前に金貸した」
上手く収入が入らない時でも、入る時でも金貸してやってた。
俺の父親が社長やってることを知って、必要以上の金をもぎ取る。
そんなヤツだ。

