【駆琉side】



いつもの空き教室で自由に過ごす午後。


俺以外の3人が珍しいことに彼女の話で盛り上がってる。


とは言っても、ビミョーな感じで。


慧は現在5股中で、洸は23歳の人妻と付き合ってるらしい。


まともなのは、幼なじみと付き合ってる翼早ぐらいだ。


「実際、2番目の彼女が一番タイプ♪黒髪の清純系!汚したくなる……」

「慧ってえげつないー!僕は、人妻だから帰っちゃうのが寂しいなぁ〜」

「お前ら普通に女と付き合ってみろよ。案外、良かったりする」

「翼早ちんと彼女って今何ヶ月?」

「2年と1ヶ月」


慧と洸から拍手の嵐。


翼早は一途だ。


俺と違って“彼女”の存在を知ってる。


俺は彼女と言える存在を知らない。


だけど、そんな俺でも自分が中途半端なのは承知済み。



「つーことだ駆琉。お前もそろそろ、夏紀さんと切れや」

「翼早に関係ねぇじゃん……」

「あるって。だって俺、お前の幼なじみだし。牛乳かかってるから」

「牛乳?」

「おう」



全く意味分かんねぇ〜………。