猛獣な俺様の溺愛




沈黙の空間を破ったのは駆琉くんで。


少しだけ笑って言った。


「今日は泣かねぇの?」

「もう泣かないって決めたの。俺のために生きろって言ってくれたでしょ?」

「そんなこと言ったっけ?」

「言ったよ。覚えてるもん」

「あっそ……」


ずっと先を見詰める横顔。


その横顔を見てたら、好きになっちゃいそうで……。


あたしはすぐに目を逸らした。


だけど沈黙は気まずい。


何か聞いてみよう……。



「あの…駆琉くん…!」

「ん?」

「駆琉くんって…彼女とかいるの…?あ!急にこんなこと聞いてごめん…」

「いるよ。彼女とセフレの間みたいなヤツなら」


間みたいなヤツってどうゆうこと…。


でも慧の言ってたことは本当だった。


体目当てで付き合ってる………


ちょっと信じたくなかったな……。


「お前は?あ、いねぇか。チビだもんな」

「いっ、いたらどうするのよ!チビでも彼氏出来るし!」

「なんか悔しいな」


ねぇ、駆琉くん。


あたし勘違いしちゃうよ?