いつもの空き教室に咥えタバコのまま戻れば、翼早がソファーに寝っ転がってた。
「おかえり。ギャル集団どうだった?」
「蹴散らした。次なんかやったら退学にしてやる」
「駆琉が側にいない時に、やられてたらどーすんの?」
「慧か洸を置いとくから大丈夫」
実際、今は慧も洸も授業に出てていない。
ケンカの強い慧とおんなじクラスなら安心出来るか……。
「珍しいな。駆琉が一人の女に執着するなんて」
「してねぇよ。まだ夏紀と切ってないし」
「けど最近、駆琉の口から夏紀さんの名前聞かなかったなぁ〜」
「……確かに、1週間はヤってねぇわ…」
「禁欲中かよ!」
ケラケラ爆笑する翼早は、いくら幼なじみでも俺の気持ち分かんねぇだろうな。
チビに本気になりそうなバカみたいなキモチ。
「もし、想乃に気あるんなら今までみたいな中途半端はやめろよ」
「は?気あるわけねぇだろ」
「もしもの話だよ。…あのチビさ、駆琉のことすげー信頼してっぞ。見てて分かる」
「…あっそ」
要は中途半端なことして泣かすな、ってこと。
俺があんなチビに気あるわけ…ない。
きっと、またいつもの如くすぐに飽きる。
きっとそうだ……。