「………んっ、んー…」


肌に感じる寒さで目が覚めた。


でも、何かに包まれていてほんのり温かい。


「あ…これって…」


駆琉のスーツが肩にそっと掛けられていた。


このオーダーメイドのスーツは相当高くて、駆琉のお気に入り。


動く度に大好きな人の香水の匂いがふわっと鼻腔をくすぐる。



テーブルを見ると、あれだけ空き缶で散らかしたのにキレイになってるし……


ふと目に付いたメモ帳。


「なんだろう……」


駆琉の字で丁寧に書いてあった。



『可愛い酔っ払いへ

今日の仕事終わりに副社長室。
飲み過ぎた罰』



か、可愛い酔っ払い!?


完全にバカにされてるよね……。



でもきっと、ほんの一瞬だけ帰って来た駆琉が全部片付けてくれたんだね。


なんか悪い事しちゃったな……。


今日朝会えたら謝ろう。



急いでシャワーを浴びて、簡単にメイクをしてギリギリ遅刻せずに出社。


仕事終わり駆琉に会うために、お仕事頑張ろう!