その日は家に帰らなかった駆琉。
会議で直接顔を合わせる形になった。
会議室にはあたしと駆琉の二人きり。
「資料、全て置き終わりました」
「ありがと。あとは先方来てからで良いわ」
「はい。…あの、副社長は?」
「俺?今から勉強する」
ニヤッと笑った駆琉は、パソコンを見詰めながら流暢に英語を話す。
チラッと画面を覗くと、プレゼンテーションの内容。
ほんとにこの人は努力を怠らないな…。
会議が始まる午後2時。
あたしはお茶出しを終え、会議室の出入り口でプレゼンテーションの様子を見る。
外国人相手に一人でプレゼンテーションを進めていく姿に尊敬……。
質問されても、すぐに答えて相手を納得させる。
彼氏としてじゃなく、一人の人間として尊敬するな…。
「お疲れ様でした!副社長!」
「おう。…わりぃ、片付け任せて良い?この後すぐ打ち合わせあって」
「はい!大丈夫ですよ」
「ありがとな、想乃」
あ……今、名前で呼ばれた。
仕事中に呼ばれると、なんかドキドキするよ…!

