海外の社長が来た時の会議には、必ず俺が親父と同席する。
親父の通訳みたいなモンだ。
案外留学経験役に立ってる。
大人になって気付いた事。
夜中に会社から見える夜景を眺めて、ふと思う。
学生ん時は楽だったなぁ〜………。
途方もない量の資料をまとめて、パソコンで確認して……
ツライ………。
––––––––コンコン………
小さなノック音ですぐに誰か分かる。
俺の癒しでドジな想乃だ。
「…どうぞ」
「失礼しますっ。駆琉っ…副社長。明日使う会議の資料まとめ終わりました」
「ありがと。…じゃ、今日はもう上がって良いから」
「……副社長は…?」
「多分、今日帰れねぇ。こっちに泊まる」
忙し過ぎて帰れない日々が続く時がある。
だから、副社長室にシャワーとベッドルーム付けた。
一応、会社まで車で10分足らずのマンションに想乃と同棲してるけど………
帰れない事が多い。
「そう、ですか…。副社長、お疲れ様でした」
「ん、お疲れー」
すげー冷たくしてごめん…。
寂しそうな顔で副社長室を出て行った。

