無事に高校卒業して、俺は親父の会社に就職した。


最低大卒で入る会社に高卒で入社した俺は異例だ。


親父のコネな。



入社早々、俺は親父の秘書から社長室に呼ばれた。


中に入ると黒革のいかにも高そうな椅子に座ってる社長の顔の親父。


「なんだよ。いきなり呼び出して」

「では、ここで社員の駆琉に質問!」

「はぁ?」

「俺がタダで高卒の息子を社員にすると思いますか?」

「そりゃあ…だって、もう入社したワケだし?想乃だって事務で受け入れたろ」


見下す様な黒い笑顔で、腕で作ったバツ印。


まさかクビ…とか言わないよな!?


「駆琉に課題やる。…この会社と手を組みたい。お前が話着けて来い」

「…ん?…親父。これって…」

「そうだ。手を組まない事で有名なアメリカの大企業。ここと貿易出来たら良いだろうなぁ〜♪頼んだよっ」

「無理だろ、こんなの…」

「諦めんだ?成功したら副社長の座…あげようと思ったのに」


“副社長”


この響きに俺は負けた。


人の上に立ちたい。


「やってやる。週末すぐアメリカ飛んで話して来る」

「それでこそ俺の息子♪」


っつーことで、留学経験活かして一仕事して来ます。