茶色の大きな瞳に吸い込まれそう…。
すでに人気者の風格があるよ。
「ね、名前!」
「あ!ご、ごめん……。西原…」
「下の名前は?」
「…想乃」
「想乃ちゃんか〜。見た目とバッチリ合う可愛い名前だねっ♪」
か、かかか可愛い!?
男の子に可愛いって言われたの初めてなんですが……。
その男の子の名前を聞けずに、入学式のため体育館の移動になってしまった。
残念かも……。
なんて思ってたけど、その男の子はあたしの後ろの席に座った。
「想乃ちゃん」
「あっ、さっきの…」
「俺は朝比奈慧(アサヒナ ケイ)!気軽に名前で呼んでよ!」
「う、うん!慧くん……」
「なんかキモイ!慧でいいってば!」
お腹を抱えて爆笑する慧くん……じゃなくて慧。
今気付いた。
左耳に赤いピアスつけてる。
赤って珍しいかも。
「んぁ?コレ?」
ピアスを触る慧にあたしは頷く。
「これとおんなじ青のピアスつけてるヤツ見付けたら、それ俺の相方だから!」
「相方……」
羨ましいな……。
あたしにはそんな存在いないもん。

