デカイスーツケースは部屋の出入り口に置いといて…。


ベッドの横には新品の制服が掛けてあった。


中学高校と学ランの俺にとっちゃ新鮮なブレザー。


なーんか落ち着かねぇな………。



その日はシャワーを浴びて疲れのせいか早く寝た。


時差ボケも直さなきゃねぇし……。



スマホの目覚ましで起きた朝。


朝がめちゃくちゃ苦手な俺にとっちゃ、これはツライ……。


ダラダラ制服を着て準備してると、激しく叩かれる部屋のドア。


誰だよー……。


そっとドアを開けた先には、制服姿のサリナで。


「もう!カケル遅い!」

「遅くねぇよ…」

「もう8時だよ!?早く教室入らないと!」

「まだ8時だから大丈夫だって…」

「大丈夫じゃないのよ!!早く〜!」


サリナは時間にかなり厳しい。


時間にルーズな俺とは噛み合わず。


悠長に髪セットしてたら、すげー不機嫌そうに腹パンチくらった。



「サリナ。ごめんって。俺が悪かった」

「嫌よ!思ってもないクセにぃ〜!」


そう、怒んなさんな……。