【駆琉side】
空港の国際線。
今日、アメリカに飛び立つ。
翼早達とは昨日一日会って、行くって挨拶は済ませて来た。
アイツらも気を使ったのか、空港では想乃と2人きり。
「駆琉!何回も、何十回も言ってるけど…」
「金髪美女と浮気はダメ」
「そう!覚えてくれてるんじゃなーい♪さすが駆琉〜!」
「あんだけ言われたら覚えるっつーの!」
「そう〜?」
悪びれもなく首を傾げて笑う。
遊ぶためにアメリカ行くワケじゃねぇから、金髪美女と浮気しねぇよ。
俺が乗る飛行機のアナウンスが流れた。
重たい荷物を引っ張って立ち上がる。
「ほんとに行っちゃうんだね…アメリカ」
「何泣きそうになってんの?泣くなよ」
「な、泣いてないし!早く飛行機乗りなよ!行ってらっしゃい!」
「分かった!俺が悪かったから背中押すなって!」
我慢してるだろうけど、思いの外元気な想乃に背中を押され進む。
「頑張って来てね!駆琉!」
「…おう」
じゃ、行って来ます。

