素直に大きくて暖かい左手を握った。
短期間だけど、離れ離れ。
一人だったあたしは駆琉に助けてもらってから、一人が怖くなってる。
「あのさ、駆琉」
「ん?」
「駆琉がアメリカ行ってから、あたしが寂しいって駄々っ子になったらどうする?」
「はぁ?なんだよ、その質問」
クスッと笑って水平線の先を見た。
こんな質問して困らせたいワケじゃないのに。
きっと今のあたしが十分、駄々っ子。
「寂しいのはお前が頑張れよ」
「…そう、だよね…」
「でも、想乃が本気で困って助けてほしくなった時は言え」
意外な言葉にびっくりして駆琉を見上げると、ふわっと腕の中に包まれた。
駆琉の匂い………。
「お前が助けてほしい時は、すぐに行ってやるから」
「…うんっ。信じるよ。駆琉のこと」
「あぁ。だから泣かないで待ってろ」
「頑張るね、あたし」
「俺もやることやって早く帰って来る」
駆琉はいつもあたしを助けてくれるんだね。
優しい言葉と仕草があたしを包む。
留学…頑張ってね。
行ってらっしゃい。

