悠長に高校生活最後の夏休みの思い出作りしようと考えてたあたしがバカで。


家に泊まりに来てても、駆琉はひたすら勉強してる。


たくさんの英会話の本やイヤホンを使ってね。


話し掛けちゃ迷惑だよね、絶対!!



「ヤベーなこれ…。日本語忘れて帰って来そう…」

「あたしの中学校にいたよ!留学して、日本語忘れちゃった子」

「俺は器用だから大丈夫だ。つーか、想乃が電話寄越せよ」

「時差あるでしょー」

「あ、そっか」


駆琉は頭良いから大丈夫だよ。


一人でやっていける自信が無いのは、あたしだもん。



毎日コツコツ英語を勉強してる。


その成果なのか、イヤホンを耳に入れながらたまに口ずさむ英語。


様になり過ぎてカッコイイ…!


「想乃も一緒に留学させれば良かった」

「あたしも?あ!駆琉一人じゃ、寂しいんだ!」

「バーカ。寂しいのお前だろ。毎晩、泣くんじゃねーぞ」


うっ!!


そこまでじゃないけども………


泣かないで駆琉待つし!!