あたしが寂しがりやなこと知ってるくせに……。


ワガママ言っちゃダメなのは分かってる。


だからこそ歯痒い。


「いつ日本に帰って来るの?」

「来年…だな。1月中には帰って来るつもりでいる」

「絶対?」

「あぁ、絶対。俺がちゃんと単位取れてればな」

「サボるのダメだよ!?ケンカもね!」


「はいはい」なんて、めんどくさそうに素っ気なく返事する。


きっと、駆琉パパと決めた事だよね。



進むためだよ。


仕方ないの。



寂しくて胸がぎゅっと力強く掴まれる感覚。


ぐっと堪えて笑顔を作った。


「じゃあ、せっかくの夏休みなんだし……向こう行くまで楽しもうよ!!」

「あれ?想乃泣かねーんだ?」

「あはは!泣くワケない!」

「メソメソしてた想乃から大人んなったな〜。感心、感心」


あたしの肩を抱き、そっと温もりに包まれる。



駆琉がいる間にたくさん笑わないと、きっと泣いちゃうから。