関係ない人にしたら、ただ重たい話なだけだもん。


背中を向けてる駆琉が、どんな表情してるか分からないけど………。



「安心しろ」

「…えっ?」

「西原から大河にしてやる。そしたら、笑ってくれるか?」


おもむろに起き上がり、あたしの髪をくしゃっと撫でる。


そんな事言われたら嬉しくて笑うに決まってるよ…!


「じゃあ、大河にしてもらうの…待ってるね」

「おう。待ってろ。…これから、想乃に少し寂しい思いさせるしな…」

「へ?」

「すげーいきなりなんだけど……」


言いづらそうに言葉を詰まらせる。


目を逸らした駆琉が俯き気味に小さく言った。



「留学する。9月からアメリカに」

「留学…?9月って……もうすぐじゃん…」

「わりぃ……。なんか、想乃に言うタイミング見付かんなくて」

「あ、ううん!大丈夫だけど…」


頭の中の整理が追い付かないや。


駆琉がアメリカ留学しちゃうの?


離れちゃうってこと?


どうして…?