【想乃side】
学校内に響くチャイムが鳴ると同時に、クラスの人達は悲鳴とともに席を立つ。
今日も安定の30度超えなのに、みんな元気だなぁ〜…。
担任の話なんて聞いちゃいない。
「やーっと夏休みだねー!想乃はカケルンと予定は?」
「それが特になくて……」
「そっか…。カケルン忙しいもんねっ」
騒がしい教室で慧は苦笑いして見せた。
なんと言っても今日から夏休み!
でも、あたし達一応受験生だから進路は決めなきゃ。
ウチの高校は就職希望が大半だけど…。
やっぱりあたしも就職なのかな?
親とも全く会ってないし、話してないから進路とか皆無。
改めて考えれば、あたしはいつだって駆琉に助けられてるね。
「じゃ、俺はそろそろ莉子の教室迎えに行くね!バイバイ、想乃!」
「あ、うん!またね〜慧!」
そいえば、莉子は近い将来何するんだろう?
クラス離れてから話す機会がめっきり減っちゃった。