猛獣な俺様の溺愛




一人で頑張り過ぎちゃうところは、ほんとに駆琉そっくり。


親子だなぁ〜………。



3人で他愛のない話をして、あんまり長居しても迷惑だろうから病室を出た。


隠れて仕事はしてるみたいだけど、元気そうで安心………。



「やっぱ仕事してたな。気付いた?」

「うん、気付いた。だって、ベッドの下に仕事の資料隠してたもん…」

「マジかよ。休む時ぐらい休めっての…」

「…お仕事忙しいのかな?」

「多分な。取り引き途中らしいし」


どうして無理するの?


なんて思うけど、きっとここからは大人の領域。


あたしや駆琉が踏み込んじゃダメなんだ。


悔しいけどね……。



「なんで想乃が泣きそうになってんだよ……」

「な、泣きそうじゃない!でも…駆琉は無理しちゃダメだよ?」

「しねぇよ。俺が無理した事あるか?」

「ある!ケンカする時、いっつもそうじゃん!」


なぜか溢れそうになる涙をぐっと堪えて、駆琉の数歩先を歩く。


でもすぐに腕をぐっと掴まれた。


そして、優しく指を絡められ隣に並ぶ。



優しさに笑顔が溢れた。