よくよく考えると、らしくない駆琉に不安が募る。


ぎゅうっとあたしに抱きつく腕の中で、元気のない顔した駆琉の頬をそっと両手で包んだ。


「我慢しないで?なんかあったの?」

「…別に」

「嘘つかないでよ…。あたしに話して?ねっ?」


一度躊躇い目を逸らし、あたしの目を真っ直ぐと見直して言った。



「親父が倒れた。過労だって」

「へっ…駆琉パパが……だ、大丈夫なの!?」

「あぁ。少し入院すれば良くなる。普通に元気だし」

「それなら良かったー…」


だから今日も放課後いなかったんだ。


翼早が代わりに送ってくれたワケ……。


駆琉パパが元気なら何より。


「今度、お見舞い行っても良い?」

「想乃が行けば、親父も喜ぶだろ。今度一緒に行くか」

「うん!行く!」


ふわっと優しく笑いあたしの頭をそっと撫でた。



………まだ隠し事してる…?


ちょっぴり駆琉が変だよ……。