おそらく寝てたっぽい洸は、顔に乗せてた雑誌を投げ捨てた。
「想乃……誰にやられたの!?ひどすぎ!やり返す!」
「い、いいから!大丈夫だよ、洸!」
「ねぇ、カケルン!想乃のこと手当てしてあげてよ〜!器用じゃん!」
「そうだ。ヤった女だろ」
だから、翼早くん。
あたしは駆琉とそうゆう関係じゃありません。
慧はあたしを優しくソファーに降ろし、なぜかみんな退出。
あたしと駆琉くん二人っきり……。
「なんか…ごめんね!か、帰る!家で手当てする!」
「おい、待てチビ」
ぐっと腕を引っ張られて、体勢を崩しあたしは駆琉くんに倒れ込む。
うわぁぁぁ……端整な顔がすぐ目の前!
「チビ。それ誰にやられた?」
「大丈夫だから…別に骨折ってるわけじゃないし…」
「前に水浸しにしてきたヤツら?」
誤魔化せない。
あたしが小さく頷くと、殴られた右頬を優しく触れられた。
ドキッ………
心音が激しくなる。

