想乃に手を引っ張られて歩く俺と、その後ろを着いて来るアイツら。
莉子は慧の腕にべったりだ。
洸がモデルデビューしてから、しばらくして。
アイツが載ってる雑誌が今日発売日らしく、放課後に駅前の本屋に全員で来た。
「あっ!あった〜。僕の雑誌♪」
「すごいね洸!表紙飾ってる!」
「えへへっ!想乃に言われたら、なんか照れちゃう♪」
洸の他2人のモデルと3人で表紙を飾ってる。
一冊手に取って中身を読んでみると、新人モデルの洸が特集組まれてたり。
「お前すげーじゃん。特集組まれるって」
「一気にトップモデルになるし!…あ、でも…」
「ん?」
「事務所の人が、駆琉のことほしがってたよ〜。あれは良いモデルになるって言ってたもん!」
どんなに良いモデルになれたとしても、本人のやる気次第だろ。
だから俺はモデルなんて無理。
洸みてぇに、こんな笑えねーし。
それに………
「俺にはコイツいるから。寂しがりだから出来ねぇわ」
「ノロけるなよ〜!」
「さ、寂しがり…。むぅ〜……否定出来ないっ!」
チビの頭を撫でた。
残り少ない高校生活は、なるべく側にいてやりたいから。