教室を出て無我夢中で走って来たのは、やっぱり屋上。


ここが、学校でのあたしの唯一の居場所。


「もう…なんなのよ…アイツら…!うっ…ふぇっ…」


膝から崩れたあたしは、そのまま座り込んで泣いた。


鳴ったチャイムなんて気にせずに泣き続けた。



ツライよ………。


あたしって、なんのために生きてるの?


必要性ないなら、存在する必要ないじゃん……。



顔を上げたあたしの目に映ったのは、キレイな水色の空。


空が近い。


そうだよ、ここ屋上だもん。


泣き過ぎて疲れた体で立ち上がって歩き、フェンスの下を見る。


花壇だ。


フェンスが邪魔くさい。


これじゃあ、空に近くなれない…!


また悲しくなって涙が止まらなくなる。



「まだ泣くの?泣き虫」



頭上から声がした。


低くいけど、どこか優しい声色。


もしかして……っと思い、貯水タンクを見上げれば太陽に照らされる彼。


「駆琉くん……いたの…?」

「俺の方が先にいた。うるせー泣き声で目覚めたし」

「…ははっ…ごめんね…。ほんとごめん…」


力のない声で平謝り。