映画が終わると外は薄暗くもう夕方になっていた。


こんなダラダラ引きずって良いの!?


言いたい事言わなきゃダメだよね!?


「最後の1本…観る?観んなら入れるけど」

「み、観ない!」

「ふーん…そっ」

「…あのさ!駆琉!」


隣に座る駆琉は首を傾げた。


伝えるなら今だよね………



「あたし……」

「どした?」

「あたしね、前の駆琉の方が好き。もう大丈夫だから。安心してよ。ねっ?」

「俺はいつも通りだって」

「違う。浜崎裕太の件から…ずっと駆琉が駆琉じゃないよ…」


なんだか悔しくて涙がうっすら浮かぶ。


自分勝手に動いてケガしたから?


あたしを引っ張ってくれる駆琉はどこ?


いつもいつも、あたしの目の前には駆琉がいるのに………。


「自分の大事な女守れなかった…」

「へっ?」

「めちゃくちゃ悔しいんだよ。想乃を守るって約束したのにさ」

「助けに来てくれたから良いの!」


だからあたしは軽いケガで済んだんだよ。


駆琉が助けてくれたおかげだもん。