慧の家の離れに行くと出迎えてくれたのは莉子で。
最近ずっと莉子が住み着いてるらしい。
想乃はキレイに手当てされていて、静かに眠っていた。
「想乃の傷は浅いから大丈夫。傷痕も残らないはず」
「それなら良かった。ありがとな、莉子」
「いえいえ〜!ただ…次、想乃にこんなケガさせたら怒るからね!!」
「させねぇよ。絶対……」
俺がこんな立場にいる間は、危険な目に合わせる事が多いかもしれない。
「ほんとに……ごめんな…」
小さな手をぎゅっと握ってみた。
あったかくて安心する。
その内、気を使った莉子が部屋から出て行って二人きりになった。
そっと頭を撫でるとゆっくり動いた瞼。
「んっ…駆琉……」
「想乃…!大丈夫か?俺のこと分かる?」
「大袈裟だよ〜…分かるよ。…痛っ…」
痛みに顔を歪めて包帯が巻かれた額に手を当てた。
痛いよな………。
「駆琉も傷だらけ…。ごめんね?」
「なんで謝んの?」
「あたしが守ってあげたかった…。あたしが勝手に浜崎裕太の所に乗り込んだの」