ソファーに座る俺の横を通り過ぎた時、チビから甘い匂いがする。


シャンプーか、なんか。


髪まで濡れて風呂上がり状態になってる。


「髪……濡れてんな」

「あ、うん…頭からザバーっと。髪結びたいな…」

「輪ゴムならあるけど」

「もらっていいの?」

「使えば」


慧が食べてた袋菓子の口を縛ってた輪ゴム。


別に慧の袋菓子が、しけったって俺には関係ねぇし。


「お菓子の輪ゴムだよ!?」

「知らね。慧のだからいい」

「慧ごめん!輪ゴムもらいます!」


申し訳なさそうな顔をしながら、後ろに一本で結んでる。


あの女達にイライラしてきた……。



「ありがとう駆琉くん!ほんとに……助かりました…」

「その代わり今度ヤらせろ」

「ええっ!?えっと…あたし…」

「嘘だバカ。本気にすんな」


また顔真っ赤。



なんで俺、関わりもない女を助けてやってんの?


俺の行動謎過ぎる………。