さっきまで繋がれてた手に残る温もりを感じながら駆琉を待つ。
まだかなぁ…?
「ねぇ、君1人?」
「へっ?あ、えっとー…」
「可愛いねっ。ここの高校でしょ?」
「は、はい。まぁ…そうですけど」
うちの高校と似た様な学ランを来た一見真面目そうな男の子。
少し長めの黒髪に人当たりの良い笑顔。
イケメンではあるけど、この笑顔……
あたしは苦手だ。
この人は絶対に裏がある。
「名前なんてーの?」
「そちらから名乗るのが常識でしょ?」
「これは失礼。俺は浜崎裕太(ハマサキ ユウタ)。よろしくね?」
「うん、よろしく…」
怖いからあたしの名前は名乗らなかった。
だって、多分この人は駆琉を傷付けた人に違いない。
テキトーにあしらってると意味深な言葉を残して帰った。
『また会おうね。想乃チャン』
完全に素性知られてるよね…?
これってあたしの立場ヤバくない?
駆琉の彼女ってバレてるよ。