夕方は特に退屈。
ニュースばっかで面白いテレビないし、リハビリも終わってるし。
スマホもさすがにあきた………。
–––––––コンコン
小さなノック音だけですぐに分かった。
「失礼しまーす……起きてる?」
首を傾げて微笑む想乃。
やっと来た!!
「お前………マジおせぇ!チビ、バカ、まな板!」
「は、はい!?せっかくお見舞い来たのに悪口ですか!?」
「うっせーチビ」
「はいはい。どうせチビですよ」
膨れっ面で丸椅子にそっと腰掛けた。
こんな事言いたいんじゃねぇだろ。
もっと話したい、もっと近くに来てほしい。
「駆琉、ケガは大丈夫なの?」
「大丈夫。ちゃんとリハビリしてるし」
「それなら良かった!あと…点滴がテープぐるぐる巻き…」
「あ、あぁ。これは気にすんな」
『脱走常習犯なんで〜…』なんて言った暁には想乃キレるだろ。
これは知らなくて良いんだ。
せっかく会えたのに特に会話もなくて。
想乃の学校での話聞いてるだけで、退屈はしねぇけど。
莉子とのバカ話。

