真っ白な個室の室内にポツンとある一つのベッド。


そこで眠ってる傷だらけの駆琉。


規則正しい寝息が聞こえてきて、少しの安心感を覚える。


「駆琉……」


右手の指を握っても握り返してくれない。


こんな時まで、意地悪しないでよ…。


「ねぇ、駆琉…痛い?大丈夫?」


『チビ、泣くなよ』って笑いながら返してよ……。


駆琉のバカ………。



静かに開いた病室の扉。


みんなが入って来て、泣いてるあたしの頭を洸が撫でてくれた。


優しさが痛い………。


「泣いてんじゃねーぞ、想乃。駆琉は生きてんだからよ」

「翼早……うん、そうだよね。生きてるもん!」

「想乃に悲しい思いさせるなんて、僕が許さないんだからね!」

「ははっ!そーだ!だから、カケルンも早く目覚ましなよ」


駆琉にはこんなにも心配して、慕ってくれてる仲間がいるんだよ。


早く起きて、みんなを安心させてよっ!


仲間を傷付けられて悲しいはず。


それでも、笑って元気付けてくれるみんなに助けられた…。