真っ暗な中で帰る道は、想乃がびびりまくり。


いやいや、俺がいるからそんなびびんなくても大丈夫だろ……。



ーーーガサガサッ!!


「ひゃぁっ!?何!?誰!!」

「風で木揺れただけ」

「いやっ!今のは!?」

「想乃が木の枝踏んだ音」

「もうヤダ!夜怖いー!!」


お前の声がデカくて、そっちの方がよっぽど怖いけどな。



家の鍵を開けると、想乃は真っ先に俺の背中を押した。


あー……そうゆうこと、か。


「は、入って良いよ…」

「想乃が先に入れば良いだろ」

「きっ、き、気遣い?だもん!」

「気遣いなら、想乃が先に部屋入って電気付けるのが普通じゃんかー」


部屋はカーテンも締め切ってあり真っ暗。


こんな中に想乃が一人で入れる勇気は、持ち合わせてないはず。


「…すいません。怖いから駆琉が先に入ってよ〜!」

「仕方ねぇヤツ。ほら、着いて来い」

「うん!」


想乃の小さい手を握りながら進む真っ暗な部屋。


電気は〜………これか。