涙目で額を押さえてるあたしとは真逆に、涼しい顔で自販機にお金を入れる駆琉。


あたしが先に来たのに!!


後から来た駆琉に取られたし………。


「選べよ」

「へっ?良いの?」

「ん、早く。俺も買いたいから早く選べって」

「あっ、えっと…じゃあ、お言葉に甘えて…」


オレンジジュースを押した。


お風呂上がりでまだ少し火照った肌には、冷たくて気持ち良い……。


「ありがとう!駆琉!」

「じゃあさ……」

「どうしたの?」

「俺にもなんかちょーだい」

「あっ、あげられるモノ!?部屋戻ればお菓子あるけど…今は何も持ってないよ!?」


慌てるあたしを見下ろして、クスクス笑う。


絶対にバカにしてるぅ〜!!


あたしの頬をすーっとなぞり、耳元で甘い声で囁かれた。


「想乃でいっか」



さらに体が火照る感覚……。


俯いてると、そっと手を握られて拒否権ナシに連れて行かれた。