放課後になって誰もいない空き教室で目を覚ました俺。
アイツらのカバン無いところから見て、先に帰ったっぽい。
ダルいけど帰るか………。
玄関を出ると、甲高い女達の笑声が耳に響いた。
うっせー……。
左側にある水道を見ると、女5人に囲まれて水浸しにされてるヤツがポツンと一人。
アイツ……洸が気に入ってる想乃ってヤツじゃん。
俺、この女と会う確率多過ぎ。
しかも女達になんかされてる時。
「洸達帰っちゃったよ〜?誰も助けに来てくれないねっ♪」
「可哀想に〜!駆琉もいないよ!」
「まだいんだけど…」
「きゃっ!!駆琉!に、逃げるわよ!」
水の流れるホースを捨てて、逃げてく女達。
うわ、びしょ濡れじゃん。
「あ、ありがとう!助けてくれて…」
「別に。助けたつもりねぇ。つーか、ダッセ。やり返せよ」
「…無理だよ。味方なんていないから、ひどくなるだけだもん」
なんでそんな切ない顔すんの?
一人ぐらいいるだろ味方なんて…親とか。
「頼れる当ては?」
「自分の家」
ダメだ、こりゃ。

