猛獣な俺様の溺愛




気まずいまま1週間が経った。


相変わらず俺らは一切口聞かないし、あの想乃が寂しい素振りを見せない。


マジで嫌われた!?



しかも金曜日の今日は、通常なら想乃んちに泊まる日。


いや、とりあえず教室まで迎えに行く。


「想乃、帰るぞ」

「……帰んないもん」

「いつまで意地張る気?少しは素直になれ、チビ」


小さく頷いただけで会話はなく……。


俺の少し後ろを着いて来るアイツをバイクに乗せて送る。


今日は泊まりしない方が最適かな…。



「…じゃ、また…月曜日」

「ん…ありがと」

「別に」


エンジンかけて、アイツに背中を向けるとぎゅっと手を掴まれた。


「帰っちゃうの?」

「そのつもりだけど?」

「え…だって、今日って金曜日だから……お泊りの日なのに…」

「寂しいんだ?」


頷いてから、ペコっと頭を下げた。


小さい想乃がもっと小さく見える。


「前は…ごめんなさい…。勝手に駆琉のこと疑って…。ほんとに、ごめんね…」

「怒ってるわけでもないし……あー…泣くなチビ!」