スマホをいじってた翼早が顔を上げて、窓の外を見た。
あ……眉間にシワ寄ってるっつーことはなんかあったな。
来やがったか?
「来た。駆琉、慧、外行くぞ」
「あー……めんどくさ…」
「そのめんどくさがりがいねぇと、このケンカ意味ねぇから。んで、洸は慧に連絡入れとけ」
「はぁい」
俺も窓の外を覗くと、校門に溜まる隣の男子校のヤツら。
ざっと見た感じ、30から40人ぐらい?
他校のくせにケンカ売りに来たのは、ここの元トップだった丸刈りヤローの親友が男子校のトップで……
まぁ、俺らを潰しにきたわけだ。
他校だけど。
これって所謂、他人だな…。
……なんで、俺ら他人とケンカしようとしてんの!?
もっとめんどくせ〜……。
「駆琉!早く行くぞ」
「なぁ、翼早。他人とケンカして利益はあるか?」
「利益で動くな。残党処理だって考えれば楽だろ?」
「だから、めんどいんだよ。なんで、親友だからって理由で俺ら潰されんの?」
「言っとくけど、俺はもしも駆琉がやられたら、そいつを潰しに行くぞ」
やるしかねぇか。
この廃れたクソみたいな高校のトップになったの俺だし。
仕方なく俺は翼早の後ろに着いて行った。

