ちょうど海に日が落ちてく時間。


めちゃくちゃ景色キレイな時間ぴったしに着けた。


「キレイ!ヤバイ!」

「なぁー。キレイだな」

「……うんっ、ほんと…キレイ…」

「…まだ泣きそうか?」

「ははっ……少し、だけ」


横を見れば、目に溢れそうなぐらい涙を溜めて我慢してる想乃。


泣けよ、俺の前でぐらい。


強がんじゃねぇバカ。



華奢で細い手首を引っ張って、抱きしめれば声を上げて泣いた。


まだ立ち直れなくても良いじゃん?


「う〜っ…んっ、駆琉ぅ〜!!」

「あー、はいはい。泣くだけ泣いたら帰るぞ」

「ひっく…うっ、ぐっ…ん…」

「想乃のこと一人にしねぇから。寂しい思いさせねぇよ」

「駆琉……大好き…」


小さく呟いた想乃の目は涙で真っ赤。


でも、スッキリしたような笑顔を俺に向けた。



ちゃんと笑えたな。



また二人でバイクに乗って薄暗い道を走り帰る。


ただ、想乃が笑ってくれてれば俺はそれで良い。


泣きたい時は、俺んとこで思いっきり泣いて……


その後は笑ってくれれば良いから。