このまま引きこもってんのも、良くねぇじゃん。
今は俺が支えてやんなきゃ。
「俺と二人で海行かね?」
「…うん。行ってみる」
「よし。じゃ、準備しろー」
「え、ええっ!?今行くの!?」
「なんか文句あんのかチビ」
首を勢い良く横に振る。
もう日が暮れる夕方の海。
バイクで行けば、そんなに時間はかかんないはずだし。
「あたし泳げないよ」
「こんな時間に泳がねぇって。海に行くだけ」
「でも、海久しぶりかも!」
「そうなの?」
「うん!小さい時に、家族で来た思い出が薄っすらあるぐらい!」
逆に傷えぐったか?
楽しそうに笑う想乃からは、そんな風に思わねぇけど………
とりあえず、想乃の気分転換になれば良いから。
「駆琉!準備おっけー!」
「お前、ボケっとしてバイクから落ちんじゃねぇぞー」
「そんなドジじゃないもん!」
「ドジだから言ってんだよ」
ケラケラ笑うコイツを見て、なんか少し安心した。
元気のない想乃は見てらんねぇもん。

