猛獣な俺様の溺愛




【駆琉side】



夏休み入って想乃の実家行った。


正直、想乃がここまで悩んでるなんて思ってなかった。


しかも離婚したって………。



それから想乃は俺んちの可愛い居候。


アイツを一人にしたくねぇから、騒がしい俺んちがちょーどいい。



にしても……当たり前だけど、全く元気ナシ、気力ナシ。


心の底からの笑顔は、しばらく見てねぇ気がする。


「駆琉〜……」

「どした?」

「抱っこ」

「俺、今夏休みの課題やってんだけど…」

「ケチ」


頬を膨らませて不機嫌丸出し。


こんな時ぐらいは、言うこと聞いてやるか……。


「大人しくしてろよ」

「うん!するー」


向かい合わせの形で、俺の膝に座らせれば鼻歌交じりでご機嫌。


色々、悩んでんだろうし………


俺が想乃のはけ口になんねぇとな。



「あたしまだ課題何もやってないよ〜」

「お前バカなんだから早くやっとけ」

「だって、数学とか全く持って意味不明だもん!」

「はぁー……あとで教える」

「やった〜♪」


あー……ちょ、想乃が暴れるせいで課題の字ぐちゃぐちゃ。