ほら……もう会話続かない。
お母さんの冷たい視線が痛い。
この流れで駆琉のこと紹介しちゃっていいよね…?
「あのね、お母さん!今日は…そのっ、彼氏を……」
「何?彼氏?想乃に?」
「う、うん…。それで…えっと〜…」
「初めまして。想乃さんと付き合ってます、大河駆琉です」
駆琉って、真面目な挨拶出来るんだ!
いつもの駆琉と違う。
かなり真面目な顔付き。
「初めまして。わざわざ、挨拶ありがとう。で?想乃の要件は?」
「へっ?要件は…特にないけど…。あっ!お父さん!いつ帰って来るの?」
「お父さん?……あぁ、あの人ね。想乃に伝えてなかったわね」
「へっ?」
立ち上がってあたしの目の前に来たお母さん。
そして聞いた言葉はあまりにも急で……
あたしは耳を疑った。
現実なのか夢なのかわからない。
「今年の4月に離婚したわ」
「嘘…だ。嘘だよね?」
「本当よ。一応、高校卒業までは西原の姓にしといてあげたから。卒業後は、佐藤ね」
待ってよ、お母さん。
あたし着いて行けない。

