猛獣な俺様の溺愛




週末、駆琉のバイクに乗って来たあたしの地元。


1年以上帰ってないけど、街並みは何一つ変わってない。



「…やっぱダメ!駆琉!帰ろう!」

「ここまで来て怖じ気付くなチビ!ガソリン代無駄んなる」

「無理だよ!やっぱ家帰れない…」


だって、お母さんに連絡入れたわけじゃないし………


いきなり家に入るなんて無理!


「想乃」

「んっ?」

「俺は味方だから。大丈夫」

「……うん」


優しく押された背中。


恐る恐る実家の鍵を開けた。


一歩玄関に踏み込めば、お母さんの靴があった。


お父さんの靴はないから……日曜日だけど多分お仕事。


「駆琉のお家に比べたら狭いけど、入って」

「ん、お邪魔しまーす」



リビングに続くドアに手をかけて深呼吸。


大丈夫………


駆琉がいるんだから勇気出せ…!



「たっ、た……ただいまー!!」

「…ん?あら、想乃じゃないの」


リビングには、ソファーに座ってパソコン打ってるお母さん。


うん…変わってないね。