せっかくの夏休みが、あれ以来モヤモヤして楽しく過ごせない。


駆琉があんなこと言うからじゃん……。


その張本人は、あたしの部屋のベッドでスマホのゲームしてるし。



悩むな………ほんと。



「想乃。答え出た?」

「…なんの答え?」

「この前言ってたやつ。実家帰るか、帰んねぇか」

「そんなの帰らないに決まってるでしょ」


駆琉には分からないよ………


あたしがどれだけツライ思いしてるか。


「俺も行ってやっから」

「えっ…?」

「だから、想乃の実家に俺も一緒に行く。付き合ってる挨拶まだだし」

「ううん!!いいよ!来なくて大丈夫!


「俺が良くねぇから。…そしたら、怖くねぇだろ?」

「そうだけどさ……」


駆琉がいれば心強い。


でも、あたしの事情に巻き込んでいいのかな…?


迷惑じゃないの?


「じゃ、決まりな。いじけんじゃねぇよ」

「むっ!…んっ」



安心させて、キスなんてズルい!



でも………


きっと駆琉がいなきゃ、あたしは前に進めない。


頑張ってみる。