うん、と素直に聞き入れたくない。


あたしは俯き気味にオレンジジュースを飲んだ。


「聞いてんの?」

「聞いてない……」

「そんならもっかい言う。お前、実家帰れば?」

「実家、か…」


さっきまで心地よかった太陽が、今はすごくうざったい。


あたしなんか照らさないで。


逃げたい、逃げたい、逃げたい………。



「駆琉…。帰ろっか!」

「逸らすなよ。一回ぐらい親と話に帰れ」

「…っ…嫌だ…。絶対に帰んない」

「親に心配かけてどーすんの?」

「だって……あたしが家出てから一回も連絡来てないんだよ?心配してると思う?」

「それは……」


ほら。


何も言えないじゃん。


あたしは所詮、そんなもん。


心配なんてされてない。



だって、両親にしたらあたしは“いらない子”なんだから。



「お前なぁ〜……そんなんじゃ、いつまで経っても変わんねぇぞ」

「何を言ってもあの人達は変わらないよ……。もう、やめよ?この話」

「…考えとけよ。実家」


頷けるわけなかった。