猛獣な俺様の溺愛




恐怖心からぎゅっと目を瞑った。


あれ?


殴られない……?


恐る恐る目を開けると、女の手を掴んで男の子がいた。


この人もしかして…!


「か、駆琉!なんでここにいるのよ!」

「ふざけんな。お前らの声うるせぇんだよ。寝れねぇから静かにしろ」

「この子とは遊んでただけ〜♪駆琉は気にしないでっ」

「ふーん……お前らって女殴って遊ぶんだ。こえーな」

「そっ、それは…!!」


都合の悪くなった女達が走って、空き教室から出てった。



助けられたのかな……あたし…。


床にペタッと座り込んでるあたしの目線に合わせるように、駆琉がしゃがんだ。


か、顔近い…!!


「くだらねぇことすんだな、女って」

「そ、そうだね……」


顔を逸らして下を向いたあたし。


その時、駆琉の冷たい手があたしの左頬に優しく触れた。


「赤くなってる。殴られた?」

「…平手打ち」

「あっそ。お前もノコノコ着いてくんじゃねぇよ、バカ」


バ、バカ!!?


駆琉にドキドキしてた自分が、まさにバカみたいだ……。


優しいと思ったのに!


助けてくれたのは感謝するけどね…。