咏斗が買って来たスポドリを飲んで、なんとか風邪をしのぐ。


家に帰るって手もあるけど、想乃を家まで送んなきゃだし。


「お前、今日は帰れ。想乃は俺が家まで送ってく」

「ダメ…。俺がやるって決めたから」

「変なとこで根性出すなっつーの…バカケル」

「なんとでも言え……」


翼早に悪態つかれても、言い返す気力すらねぇ。


ヤベェな……マジで。


「駆琉さん!想乃さん呼びましょ?」

「無理」

「それで一緒に帰れば良いじゃないですか!」

「うっせー……咏斗」

「強がりし過ぎっス……」


アイツの前では強がりたい。


守るとか言った以上、強くねぇと示しつかねぇじゃん。


あぁ……ほんとに具合わりぃ…。


想乃迎えに行くまで少し寝よ………。



「駆琉……」


体が小さく揺すられる。


この高い心地良い優しい声。


想乃だ………。


「…想乃?」

「うん。あたしだよ。帰ろ?」

「おう……」


差し出された手を引っ張って、ダルい体を無理矢理起こす。


頭めちゃくちゃいてぇ……。


ガンガンうざいほど響く。


起き上がるので精一杯だ。