でもこの内柴咏斗って男。


真面目で素直で誠実で、案外筋の通ったヤツだよな。


…気に入った。


「なるか、用心棒」

「良いんですか!?ありがとうございます!」

「その代わり、想乃に手出すんじゃねぇぞ。出したらソッコークビ」

「分かってますよ〜」


ケンカしたのに仲間一人増えた感じ?


ま、いっか。


あと1年で俺らは卒業する。


そん時に、トップ継ぐヤツいなきゃ困んじゃん?


咏斗は強いし、なかなか良いヤツだからアイツらも賛成すんだろ。




「内柴咏斗です。駆琉さんの用心棒やります!よろしくお願いします!」

「はぁ〜!?んだよ、この展開…」

「良いじゃん。悪いヤツじゃねぇし」


傷だらけの顔で戻った溜まり場には、翼早と洸がいた。


翼早は呆れて、洸は爆笑。


「いいなぁ〜駆琉!僕も用心棒ほしい♪」

「必要な時に言って下されば、洸さんの用心棒もやります!」

「マジでー?咏斗気に入ったから、あとでなんか奢る」

「お前…はぁー…。駆琉も洸もバカだろ……」

「バカ出来んのって今だけだから」


高3にもなったら、大人しくなろうって考えてるし。


先輩って実感湧くわ〜。