和やかに話してるのも束の間。
不機嫌そうな洸が溜まり場に戻って来た。
何かあったっぽい………。
「駆琉。僕、始業式出て偵察して来た」
「おう。なんか掴めた?」
「1年にこの地域一帯の全中学の頭狩りしてたヤツいるよ」
「……マジ?」
「うん。ちょっと仲良くなった1年の女の子から聞いたもん」
ケンカとか、トップとか、頭とか……
よく分からないけど、きっとケンカ強いんだろうな……。
駆琉達が黙り込んでるもん。
「とりあえず、様子見る」
「おっけー♪慧にも伝えとくねん」
駆琉はこの高校のトップ。
ピリピリするのも当たり前だよね…。
何も出来ない自分が歯痒い……。
「想乃が不安そうな顔して、どーすんの」
「だって、駆琉またケンカするんでしょ?」
「俺に逆らえばの話だ」
「逆らったら?」
「原形なくなるまでボッコボコに潰す」
あぅぅぅ〜………
目が本気!!
「お前も変な男相手にすんなよ」
「分かってるよ」
無造作に頭をくしゃっと撫でられた。
トップの彼女ってちょっと優越感……。