【駆琉side】
俺の隣でさっきからはしゃぐ想乃。
小さな手が、俺の手を掴んで引っ張り気味に歩く。
温泉旅行はノリ気じゃなかったけど、案外楽しいかもしんない。
「うわぁ〜……すごいキレイ!」
「ガラス?ほしいの?」
「ううん!まだ色んなの見たい」
想乃がふらっと立ち寄った店。
ガラスが並ぶから、きっとこの土地じゃ有名なんだと思う。
「このピンクのグラス可愛いなぁ…」
「…買ってやろっか」
「え、いいの?」
「こんなの一個ぐらい、いつでも買ってやるって」
「ありがとう!!」
想乃にピンクのグラスを買ってやった。
その喜んでる顔見れんなら、俺なんでも買うよ?
たぶん。
「お部屋どんなかな〜?広いといいな!」
「所詮スーパーの福引きだぜ?」
「あんまり期待するなって?せっかくだなら期待しよーよー!」
「分かったっつーの!」
俺の腕にまとわりつく。
くっついて離れない想乃と来た、わりとキレイな外観の温泉宿。
想像以上?

