まだまだ寒さ健在の冬休み明けの登校日。
今でも欠かさず駆琉が迎えに来てくれる。
もう大丈夫なのにね。
「おはよー駆琉」
「…はよ」
「寝起き感満載だね…。あ、ほら、後ろ跳ねてるよ」
「んー…」
朝の駆琉は驚くほど大人しい。
静かにあたしに頭を向けて、寝癖を整えさせてくれる。
明るい茶髪も、もう見慣れちゃった。
駆琉達の溜まり場に行けば、すっかり普段通りに戻っちゃう。
俺様、俺様……とにかく俺様!!
「寒っ……。想乃、暖房」
「駆琉の方が近いでしょー!」
「うっせー。黙れ、バカチビ」
「ひどっ!!ねぇ、今の聞いた!?」
溜まり場にいる残り3人の方達に問いただしても……
「ん〜……カケルン冷たい…想乃、暖房」
「僕が想乃もらっちゃうよぉー…。想乃、暖房…」
「いやー、マジ寒いな。想乃、暖房」
「あたしは暖房じゃありません!!」
みんなのバーカ!!!
どーせ、始業式にも出ないんだから寒いまま居ればいい!
イライラしながら教室に行った。