この学校で過ごせると思ってなかった幸せなお昼休み。


洸が他愛もない話で笑わせてくれる。


久しぶりに笑った……。



ーーガチャ………


屋上のドアが静かに開く。


「あー!やっと来た〜」


洸のその言葉にあたしはドアの方を見ると、一気に肩が震えた。



「お前、ゲームしてたからって残党処理こねぇのか。良い性格してんなー…」

「ご、ごごごめん!翼早には迷惑かけたよね!」

「はぁー……。ったく洸はしょうがねぇな」


翼早って人……


入学式の日に、顔の腫れた男の子を引っ張ってた人だ!


黒髪で見た目はそんな悪い人っぽくないのに……。


「あ。お前あれじゃん。駆琉の女」

「えー!!想乃って駆琉の彼女!?嘘でしょ!」

「ま、待ってよ洸!駆琉って誰…?」

「入学式ん時に、駆琉と屋上でヤってた女だろ?」

「想乃が?嘘!」

「なんか勘違いしてません!?」


むしろ駆琉って人のこと知らないのに!


ヤってるとか、ヤってないとか……


変な勘違いされてる!