慌てて電話に出れば、スマホの奥から細く小さな高い声が聞こえた。


『駆琉……』

「どした?」

『ごめんなさい…。あのね…っ…会いたいよ…』

「……家の鍵開けて待ってろよ」



電話を切ってすぐに、部屋を出た。


早く……早く想乃に会いたい。


ガラにもなく、そんなこと思う。


こんな真冬にバカかもしれねぇけど、バイクのエンジンかけた。


すぐ行ってやるから。



バイクを停めて、恐る恐る想乃の家の扉を開ける。


すると、ドタドタ足音が……。


可愛い……走ってんの。


「き、来てくれた…!」

「お前が会いたいって言ったからだろ。…泣くなって…」


両手で顔を隠して涙をポロポロ落とす。


ほんとに、ごめんな……


俺って想乃に寂しい思いしかさせてねぇよな。


泣きじゃくる想乃を抱きしめてやった。


「…っ…うっ、ご、ごめんなさいっ…。でもねっ、ほんとに浮気じゃ…」

「知ってる。洸からも聞いた。つーか、寒いから家入る…」


俺に引っ付いたまま、離れない想乃。


仕方ないから膝に座らせた。