なんだかんだ咲季といた時のこと、ハッキリ覚えてる自分に嫌気。
想乃と付き合ってんのにな。
これじゃあ、想乃のこと責められねぇわ。
「なぁ、咲季」
「んー?」
「後悔してるか?タトゥーのこと。それで俺に、彼女と洸が一緒にいる写真送り付けてきたの?」
「あははっ、別にそうゆうのじゃないけど……」
「けど?」
「あの時から、今でも駆琉とずっと一緒にいられるような気がしてた。だから、今の彼女が羨ましかった」
空に飛んでく遠くのシャボン玉を見詰めながら、言った本音。
俺一人だけ幸せになって前に進んで……
それじゃあ、別れた咲季にはツラ過ぎたの?
もう、考えごっちゃごちゃ……。
「でも!!」
ハイヒールを履いた細い脚で、ベンチから立ち上がった。
「今カレには良く思われないけど、駆琉との良い思い出よっ!」
「それ……ほんとだな?」
「もちろん!だから……ごめんなさい。彼女と仲直りでもして?」
昔っからそうだ。
俺の顔付き見ただけで、咲季は全てを悟る。

